このページでは退職願と退職届の書き方について説明すると共に、正しい労働契約知識についても説明しています。
一般的な退職をされる方がメインのページとなっています。
使用出来る書類サンプルもご用意しておりますのでご利用ください。
法律上二つに関しての定義はありません。労働者が会社に退職の意思を伝えるのは書面でも口頭でも構わないとされています。むしろ、書面にして貰いたい都合は会社側にあるのです。その点については後のトラブルを避ける為でもありますが、労働基準監督署や職業安定所からの要請で提出を求められることがあるからです。そういった事情から、退職の意思は書面で受け取るのが一般的になっています。逆に労働者側でも「言った言わない」を避ける為に書面にしておいた方が良いという事情もあります。
さて、退職願も退職届も「会社に対して雇用契約の解除表明」です。
つまり、退職願である場合は会社にお願いをしているという風にも思えますが、これは慣例上そのような呼び方をしているだけであって、法律上は労働者からの退職通達に他なりません。
これが「申請」であるというような事はありませんが、会社側ではそう思ってないかもしれません。
法的解釈は非常に曖昧です。したがって、あらかじめ退社日に関して会社とトラブルが予想されるような場合には「退職願」ではなく、「退職届」を作成・提出することをお勧めします。
よく「退職届というのは会社に対して失礼だから退職願が正しい」なんてふざけたことをいう人やサイトがありますが、そういった方達は労働契約というものを理解出来ていませんし、本当の礼儀というモノすら理解していないかもしれません。
何度も言うようですが、これらの言葉の違いは法的に何の意味も無いことなのです。
また、「退職願」は会社に受理されるまで撤回することができるなんて説明を見かけますが、撤回出来るかどうかは会社次第であり、「退職願」だろうと「退職届」だろうと違いはありません。
そして、事前に打診し会社側と打ち合わせを行っておくのが正しい退職の仕方ですから、退職願を打診として使用してはいけません。これが本当の礼儀です。
そのような退職願は、かえって失礼に当たります。
さて、労働契約というのは労使双方の合意の元に取り交わされますが、その解除については労働者側の方が強い決定権を有します。もちろん、合理的理由があれば会社側も労働者との契約を解除する権利を有していますが、労働者側には合理的理由がなくても労働契約を解除することができるのです。(有期契約の場合は、契約期間内の契約解除にはある程度制限がかかります)
従って、労働者が法律上定めたれた事前告知を行えば、会社はそれを飲まざるを得ないのです。
それが、雇用契約というモノです。
しかし、円満退職出来るような状況や会社と何らトラブルがない場合には「退職願」という言葉を使用するのがマナーというモノです。(あくまでもマナー程度のことです)
また「辞職」という言葉がありますが、これは役員などの役職の者がその職を退くときに使用するものですし、場合によっては会社を辞めることとイコールでない場合があります。「辞表」は役員などの方が会社自体もお辞めになるときの言葉です。
そういうことなので、一般の社員が使用すべき言葉ではありません事を申しておきます。
つまり、これらの言葉は非常に曖昧だと言うことを覚えておきましょう。
会社毎に取り決めや慣例があるので、それに従うのが一番だと思います。
退職願は最低でも1ヶ月前までに提出しましょう。法律上2週間前に退職の意思表示を行えば労働契約を解除出来るとありますが、就業規則では1ヶ月前としている企業が大半です。また、2週間前では急すぎて人員補充などが間に合わずに会社に迷惑をかけることになります。
就業規則には退職の意思をいつまでに出してほしいか記載されているはずですので、できる限りそれに従いましょう。
会社によっては所定の用紙(様式)で作成するように定められているところがあります。
法律上は一切の取り決めはありませんし、労働者がそれに必ず従わなければならないことはありません。しかし、会社が書類整理上、労働者に求めているのですから従うようにしましょう。
また、記入内容も取り決めている会社があります。それらがある場合はそれに従って作成するようにしてください。
退職理由なども「一身上の都合ではダメ」などとされている会社もありますから、とくに会社とトラブルがあって辞める場合以外は、素直に従いましょう。
下記のサンプルで作成してください。なお、ネットで検索すれば腐るほどヒットします。
SAMPLE
退職願
平成26年2月28日
株式会社 ●●
代表取締役社長 ●● ●●殿
営業部長 ●● ●●殿
八女 益代(名前の後ろに印鑑を押しましょう)
島根県 隠岐郡 隠岐の島町 竹島1番地
退職希望日
平成26年3月31日
退職の理由
私(八女 益代)は、結婚を機に仕事を辞めることとなりました。
業務繁忙の中、大変心苦しいのですがご理解いただき、退職を受理していただきたく存じます。
※なお、サンプルはあくまでサンプルですので、必要に応じて文面を変更してください。
また、印刷に際してはプリンターの違いがあるため、確認を怠らぬようにしてください。
自分の氏名の記入は手書きをおすすめします。
後のトラブルを避ける為、2部作成し割り印をしておく方が良いかと思います。
(2枚を重ね合わせて上の紙を下に少しズラします。右上にでも印鑑が半分半分となるように捺印します)
法的には、退職願のフォーマットなどは存在しない為、どのように作成しどのような文面とするかは作成者次第です。一般的に退職の意思表示を書類にする際に必要となる事柄は、「提出先」「労働者氏名」「退職日」「理由」の4つです。これらが記入してあれば、どのように作成しても問題ありません。
理由など、どのような文章でも構いません。
退職の意思を明確にするのであれば退職届です。
個人とは言え労働契約解除という決定事項を通達するのに、「お願い」をするのは意味が分かりません。また本来、労働者からの労働契約解除の意思表示を企業側に変更する権限はありません。
つまり、会社が受理するかどうかというのはまったく法的根拠がない事なのです。
ドラマなどで、「この辞表は私が預かっておく」などという台詞がありますが、まったく意味がありません。まぁ、上司としてちょっと思いとどまってほしい場合の決まり文句なんですけど。
通常、退職の意思表示は直属の上司に行うように取り決められている企業が多いです。この場合、直属の上司が退職の意思を表明された時点で、法的には退職の意思を通達したとされますので、その日から2週間後には退職出来る状態となります。(就業規則で1ヶ月前となっている場合は一応就業規則に従うのがベストですが、絶対ではありません)
会社は労働者からの契約解除に応じるしかないのがこの国の法律です。
さて、サンプルについては「退職願」を「退職届」、「退職希望日」を「退職日」に変更して転用してください。
また、会社と名何らかのトラブルがあって退職する場合は、退職届にその旨をハッキリと記載することが重要です。会社が記載を拒否することは出来ません。退職届は労働基準監督署からの提出要請があれば会社は提出しなければならず、トラブル解決の重要な書類となります。
もしも、こちら側にとって文句のない条件で退職出来ることを条件に、退職理由を変更するようにいわれたら、条件を慎重に考査してください。一番の条件は会社都合での退職であることです。この条件だけは外せません。そうしないと失業保険を支給されるまでに3ヶ月以上かかってしまいます。
このサイトをご利用の方は、トラブルがある方が大半だと思いますので、会社への意思通達は「退職届」を利用してください。
トラブルがあるのに、会社に礼を尽くす必要なんて有りません。どうせ、そんな会社との縁を持っていても仕方が無いのですから、潔くその人脈は捨ててください。
ん?人脈は大切だって?
そうですね、将来的にどのような人脈が必要になるかは分かりません。しかし、その時にトラブルとなった会社の人脈にすがらなくてはならない場合はほとんど有りません。同じような会社はごまんとあります。新しい人脈作りをがんばってください。